大晦日のボクシングおよびRIZIN興行の感想を…RIZINの地上波以外の試合はPPV購入で見ました
井岡vs田中
ファンが思ってたよりも遥かに高みにいた井岡選手って感じでしたね。
強い。ここまで上手いとは。
田中恒成選手も「ここまで差があるとは思ってなかった」と言うほど、明確な差がありましたね。
一応ですが、田中恒成選手の評価ってめちゃくちゃ高かったんです。
PFP(※)ランキングですと、井上尚弥選手に次いで国内2位です。
そういう選手を相手にこんな戦いに持ち込めるとは、流石に予想していた人は少なかったんじゃないでしょうか。
※パウンド・フォー・パウンド。体重が同一だったとした場合の架空ランキング。よく使われます
次はタイトル統一を賭けてアメリカでビッグマッチですね。期待しかないです。
負けた田中恒成選手も、こんなんで終わるとは思えないので、是非また強くなって帰ってきてほしい。井岡選手も負けて強くなってきたのだから。
元谷友貴vs井上直樹
多分総合格闘技見ない方には馴染みのないマッチアップですが、格闘技ファンからするとメインカードの次ぐらいの注目度でした。
とんでもなく極め(寝技でのフィニッシュ)のレベルの高い二人によるファイト。
グラウンドの展開は少しだけでしたが、とんでもない技術戦の上で井上直樹がチョークを極めました。
元谷選手が極められるのでびっくりなのに、ここまでスムーズに極めちゃうとは…。
ルックスやマイクパフォーマンスのド下手くそさは、結構女性受けするんじゃないでしょうか。
ちなみに自分はこのカードが確実に見たくてPPVを買いました。
堀口恭司vs朝倉海
「王者の帰還」でしたね。自分は堀口サイドで見てたので、TKOの瞬間に大声出たし、泣きました。何回見直したかわかりません。
作戦勝ちって言われがちですが、そもそも総合力で差がありました。
打撃、スタンドはまあ海選手としましょう。
ただ、海選手はトップレベル相手にレスリングやグラウンドでどうにかしたって試合は一つもありません。
対して、堀口選手はATTに行く前ですらデメトリアス・ジョンソン(※1)の猛攻を防いでいました。最後残り1秒で極められちゃいましたが。
ATT(※2)でもスパーリング相手を転がしまくるようなレベルですので、海選手の兄未来選手が言う「弟の腰が強いので消耗する」とかはありえないです。
こんな感じで、「スタンド・レスリング・グラウンド」って見ると堀口選手のほうが上ってのは共通認識かと思います。
だからこそ「前回敗戦のカウンターを警戒して踏み込めない」「レスリングとグラウンドで勝負」というのが未来選手の分析であり、巷の予想の大半でした。
しかし蓋を開けてみたらカーフキック3発でほぼ勝負あり。怪我した右足で、カーフキックを一発目から思いっきり蹴るって。
海選手得意の打撃も全くカスる気配もなく。那須川天心でも当てられなかったのを思い出しました。
動画の4分10秒あたりから見てもらうとわかりますが、セコンドについた未来選手が「遅い遅い遅いお前のほうが速いよ」って言ってます。
その後に明らかに海選手より速い高速ワンツーを繰り出す堀口選手。
この試合に限っては、明確にスタンドでも差がありましたね。
大晦日、2020年の鬱憤を吹き飛ばす素晴らしい試合でした。
去年8月に堀口選手に勝ってから、ここまで盛り上げてくれた海選手も立派。どっかで躓いてたら、ここまで盛り上がらなかったわけですから。
ちなみにですが、カーフ対策としては前重心をやめる、つまりボクシングを活かさない構えを取るという選択しかありません。
そうすると海選手最大の武器であるパンチが半減しますので、これはこれで勝ち目がないです。
「対策できる」っていうのと、「対策をして尚且つ勝てる」かっていうのはまるで違います。
朝倉陣営は「対策をして尚且つ勝てる」という策は一切持ち合わせてないかと。
海選手、コーチを付けて頑張って欲しいですね。
堀口選手の「諦めない」ってメッセージ、ファンだけでなく、海選手にも刺さるんじゃないでしょうか。
※1 PFP上位常連、UFCでの最多防衛記録を保持する名王者
※2 アメリカン・トップチーム UFCのトップ選手を次々輩出するジム。補足しますと、堀口選手のコーチであるマイク・ブラウンは2015年〜2019年の世界最優秀コーチ。